大手流通・卸とともに越境ECにおける中間流通の役割を担い、中国市場への参入をより手軽に

日本商品に特化した唯一の中国消費者向け越境ECプラットフォーム「豌豆(ワンドウ)プラットフォーム」を運営する、Inagora(インアゴーラ)株式会社(代表取締役:翁 永飆 本社:東京都港区、以下「インアゴーラ」)は、日中間における新しい商品流通システムWonder Japan Cross Border Syndication(ワンダー ジャパン クロスボーダー シンジケーション)に関する構想を発表致しました。

ワンダー ジャパン クロスボーダー シンジケーションは、日本企業が越境ECを行う上で必要となる、商品マスター・通関データベース・新商品情報といった情報基盤、商流・物流といったビジネス基盤、マーケティング基盤をプラットフォーム化し、越境ECを総合的にサポートする新しい流通システムです。インアゴーラはこのシステムを構想し、今後賛同いただいた大手流通・卸と事業化検討のワークグループを組織し、共同で事業化を検討致します。現時点では株式会社あらた、伊藤忠食品株式会社、株式会社大木、加藤産業株式会社、国分首都圏株式会社、全農パールライス株式会社、中央物産株式会社、株式会社ときわ商会、株式会社日本アクセス、日本酒類販売株式会社、ピップ株式会社、三菱食品株式会社(※)に賛同頂いております。これにより、日本企業が中国市場により手軽に参入できる環境を整え、成長基盤を強化することに貢献します。(※五十音順)

ワンダー ジャパン クロスボーダー シンジケーション構築の背景
一般的に、日本国内市場では、日本企業と小売の間に中間流通が存在し、小売に対して販売先の開拓や販売促進、販路の管理や販売見込みの算出を行い、メーカーの生産計画や仕入れ計画の立案をサポートしています。しかし、中国消費者向けの越境EC市場では、日本企業と中国の小売を繋ぐ中間流通が存在しないため、日本企業から小売、小売から日本企業への双方向の情報の流れが分断されています。さらに、商流も多数のブローカーの介在によって不透明であるため、越境EC独自の課題が生まれ、日本企業が中国へ進出するハードルが高くなっています。

中国向け越境ECの課題
1.日中間に流通ルートが存在しない
一般的に、中国では、複数のブローカーが日本商品の仕入れを行っています。各ブローカーが様々な小売にアプローチして商品を買い漁るため、日本国内における欠品が多発しています。また、商品の横流しなどによる流通ルートのブラックボックス化が生じており、それに伴う販売価格の高騰や安売りといった混乱を招いています。

2.日中双方の需給ニーズが把握できない
日本企業と中国の小売の間に介在する各ブローカーによる仕入れの流通ルートが可視化されないため、日本企業による商流の管理が困難になっています。そのため、日本企業は正確な需要を把握できず、日中間で、需給の混乱が起きています。

3.情報のギャップによる人気商品の偏り
中国市場では爆買商品など、ある特定の商品に対する需要が突発的に発生することが多々あり、日本企業は効率的に生産計画を立てることが困難となっています。日本企業の生産計画と中国市場の需要、双方のバランスを図る存在が必要となっています。

4.マーケティング情報の把握が困難
日中間における中間流通が存在しないため、各販売チャンネルの実売データや、実購買層のデモグラフィック・ブランドスイッチ・併売情報などの消費者購買行動がフィードバックされず、日本企業がPDCAサイクルに則った的確なマーケティング活動を行うことが困難となっています。
今回、インアゴーラが提供する新しい商品流通システムが実現することで、これまで困難であった商品の情報管理、受発注の適切な管理、通関・物流のステップ、マーケティング情報のフィードバックなど、中国進出に伴う様々なハードルが解消し、日本企業はより容易に中国市場へ進出することが可能となります。

ワンダー ジャパン クロスボーダー シンジケーション構想の特徴
1.商品マスターのデータベース構築により、商品情報の流通を最適化
インアゴーラは既に40,000点の日本商品の商品情報を所有しています。このベースを応用し、大手流通・卸と共同で新たな商品情報を追加・更新し商品マスターに加えます。これに、インアゴーラがこれまで培った越境ECのノウハウを活かし、商品の訴求ポイントや販促情報、利用シーンなどのコンテンツを統合し、商品マスターを作成します。これらの商品マスター情報を日本企業の許諾を得た上で、中国の販売チャンネルに開放することによって、正確な商品情報の流通が常時可能となり、より幅広い商品が中国市場に正しく認知され、潜在ニーズの掘り起こしや販売促進へと繋がります。

2.通関データベース構築による通関業務のサポート
中国に商品を配送するモデルには、海外から直接配送する直輸モデル、保税区倉庫から配送する保税区モデル、一般貿易にならった一般貿易モデルがあり、各モデルの通関で必要となる書類が大きく異なります。中国政府による通関に関わる政策や通達は頻繁に変わるため、日本企業が常時正確に管理することは煩雑で非効率な上に、高い専門性を要します。
ワンダー ジャパン クロスボーダー シンジケーションの「通関データベース」は、煩雑な通関業務をサポート致します。各配送モデルで必要となる書類を明確化し通関データベースを構築し、一度登録した通関データは日本企業の許諾の範囲内で整備することによって、中国の販売チャンネルが再利用できる環境を整えます。これにより、これまで煩雑であった多チャンネル展開がより容易になります。

3.新商品情報をいち早く多角的に拡散
ワンダー ジャパン クロスボーダー シンジケーションは、日本企業の新商品リリース情報や、モデルチェンジ、リニューアルなどの情報を、中国の販売チャンネルに発信するプラットフォームを整備します。尖がっている新商品情報は、中国消費者が商品を購入する際に大きな影響力を持つSNSメディアやKOL(Key Opinion Leader)メディアにとって非常に有益な情報源となっており、それらの紹介記事は販売に繋がるだけでなく、メディアの魅力的なコンテンツとなっています。一方、日本企業にとっても、SNSメディアやKOLメディアで自社商品が取り上げられることは、広告効果が非常に高く話題性作りや口コミ形成に大きく役立ちます。

4.商流管理により受発注がスムーズに
インアゴーラが日本の大手流通・卸とシステム連携している経済産業省推奨の共通規格・流通BMSと、インアゴーラが中国の販売チャンネルとシステム連携しているAPIの双方のベースを活かし、日本企業と中国の販売チャンネルをシステム連携させます。これにより、日中間でのスムーズで正確な受発注、各販売チャンネルの受注データに基づく販売予測が可能となり、これまで難しかった予約発注が実現します。

5.3PL(Third Party Logistics)の活用による物流サポート
有力な販売チャンネルである中国のSNSメディアやLIVEニュースメディアの多くは、越境ECのライセンスや物流拠点を所有していません。インアゴーラは、自社が所有する越境ECに関わる整備された物流のノウハウを、各販売チャンネルにも利用できるように致します。これにより、有力なSNSメディアはインアゴーラ倉庫にある在庫商品をバーチャル在庫として販売することが可能となります。
各販売チャンネルが商品をより手軽に販売することが可能となるため、日本企業は新商品や育成商品など、より幅広い商品を中国市場で販売することが可能となります。

6.販売情報のフィードバックによるマーケティング活動支援
日本国内では、仕入れた商品の販売実績を中間流通がフィードバックし、企業のマーケティングをサポートする役割を果たしていますが、現状、日中間においてはこのような役割は十分に機能しておらず、日本企業は消費者の情報やチャンネル別の販売状況、業界動向などの正確な入手が困難でした。ワンダー ジャパン クロスボーダー シンジケーションのマーケティング基盤の活用によって、デモグラフィック・ブランドスイッチ・併売情報などの消費者の購買行動、チャンネル別の月間販売データ、業界動向や市場調査などの中国のマーケティング情報が取得可能となります。新商品の認知度指数の変化も把握できるようになるため、生産計画や販売計画に有益な情報を一括で管理することが可能となります。これまでブラックボックスとなっていた中国市場を見える化することにより、日本企業の中国進出を効率的にサポート致します。
この大規模な流通システムであるワンダー ジャパン クロスボーダー シンジケーションは、より多くの日本企業の参画により実現します。既に日本企業と深いリレーションを構築している大手流通・卸各社と共同することで、日本企業が中国進出に伴う様々なハードルを解消し、中国市場へ容易に進出することを実現して参ります。

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